ブログ

クリエイティブをパクる人間

こんにちは。
限界集落に住む映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。

あらゆるモノがうん十万ぐらいの資金で手に入り、ハードとソフトの進化によって、誰でも何かを簡単に作れる時代になりました。

3Dプリンタが分かりやすいでしょうか。

一昔であれば、無料のソフトを使って自分で3D設計して、小ロットでモノを作り出すなんてことは先ず考えられませんでした。

それが3Dプリンタの登場と、ソフトの進化によってYouTubeで数時間学べば誰でも簡単にできるようになりましたし、3Dプリンタでプリントした食べ物を当たり前に食する時代もそろそろ近いのではないかと感じています。

ボクも実際、全くの素人がどれぐらいの時間で立体物が作れるのかを、いつかやってみたいと思っている所です。

カメラ…というか、映像制作においてもそうです。

カメラの進化とソフトの進化によって昔であれば1000万円かけなければ撮れなかった事が、今や100万円…下手したら20万円で撮れるようになりました。

ドローンなんかは非常に良い例です。

昔だったらヘリコプターを飛ばしてしか撮れなかったカットが、僅か数十万程度のドローンを飛ばすだけで簡単に撮れてしまう時代です。

端的に言うなら、誰でもクリエイターとして活動ができるような時代が到来しました。

ボクもその恩恵を存分に受けているため、非常に素晴らしく面白い時代に突入したと実感しています。

しかし、そうした僅かな資金で誰でもクリエイターとして名乗れる時代になった反面、とてもクリエイターとは呼べないような人たちまでがクリエイターと名乗っている状況でもあると感じています。

例えばパクる人間。

パクリエイターとでも言いましょうか。そうした人間が後をたたない印象を受けています。

ハードに頼ればクリエイターになったつもりにはなれるけれど、肝心のソフトがクリエイター脳ではないのでしょうね。

最近だと、明らかにトレースしていたと思われるイラストレーターの古塔つみでしょうか。

ボクは大炎上してその存在を知りましたが、まぁ酷い。

確実にトレースしているだろと一目瞭然のパクリっぷりでした。

大企業ともお仕事をしていた様子だったので、逆に今までよくそれが問題にならなかったなと。

見るからに大友克洋さんのアキラでしたから。

あまりにも情報の多すぎる世の中、全体的にパクることについて麻痺してしまっていることでもあるのかもしれませんね。

面白い時代になった反面、なんだかなと残念に思わずにはいられない大炎上事件でもありました。

クリエイターの概念は、ゼロから新しい価値を生み出す人を指すとボクは認識をしているのですが、パクる人間はゼロから価値を生み出すどころか、自分がお金を儲けるためなら手段は選ばず、先駆者クリエイターの苦労を汲み取ることは先ずしません。

自分の名声のためなら他人を踏みにじれるのです。

「世の中資本主義、やったもの勝ち」というよりは、幸せの基準を勝ち負けで判断してしまうことで、他人を敬うことを多くの人が忘れているような気がします。

実際、ボクも今まで企業などの制作に関わってきましたが、なかにはパクることや著作物に対してなんの疑問も持っていない人が多く存在しました。

クリエイティブ・コモンズというライセンスが、インターネット時代のための新しい著作権ルールとしてありますが、おそらくこの概念すらも知らないのです。

YouTubeなんかはまさにその代表とも言えると思いますが、もうパクリの巣窟 & 著作権の侵害サイトの代表ではないでしょうか。

ファスト映画などありえないし、楽曲プレイリストも如何なモノかと思わずにはいられません。

人のふんどしで相撲を取るとはまさにこういうことでしょう。

ボクもYouTubeに動画をアップしています。

表現方法、編集スピードの向上、データを扱うスピード、アイデアなどなどの技術向上を一番の理由にYouTubeに動画をアップしている訳ですが、ボクは本職が映像クリエイター。

ですので本職のスキルアップには非常に最適なのです。

なにより映像制作は時間が非常にかかります。ですが、YouTubeで手を動かすことや作ることに慣れておくと、可処分時間を思った以上に多く取れるようになりレバレッジが効いて効果抜群なのです。チャンネルを運営して登録者数を伸ばす…というよりは技術向上のために公開しているのです。

もちろんチャンネルを伸ばしたいという気持ちも当初はありましたが、どうもボクはそうした活動が得意ではないため、YouTubeチャンネルは完全に自己満足の世界ですね。

また、YouTubeチャンネルを運営という意味でも非常に多くの見解を得ることができており、如何にYouTuberが大変かも理解ができますし、チャンネルを伸ばすためには目新しいアイデアが必要になってくるかもよ〜〜〜く分かります。

サムネイルやタイトルに「奇跡」などと過剰表現したら、クリックしてもらえる率がアップすることも理解出来るところです。

カメラで言えば「神レンズ」などと表現したら効果抜群です。

それで本題。

そんな技術向上第一のためのボクのYouTubeチャンネルなのですが、見事に動画がパクられていました。

有名YouTuberがパクったとかそんなものではなく、一個人が自分の作品作り欲のためにパクっている程度と思われますが、そのパクリ方がまぁなんとも気持ちが悪い。

似せているモノが大半ですが、なかにはそっくりなモノもある。

なんのつもりなのでしょうか?

趣味で公開せずにひっそりと練習のためにやっているなら理解が出来るところですが、YouTubeチャンネルに動画をアップしているので、将来的に仕事を獲得するために「自分の作品や作風はこれです!」とPRするためのモノということになります。

人の作風をパクって自分の作品振るのはいかがなモノかなーといった気持ちでもあります。

人のふんどしで相撲を取る、ということです。

当の本人は悪気なくやっているのかもしれませんが、なかには酷いパクリ具合の動画もあるのです。

一個人を追いやることを目的に書いているわけではありませんので、ここにはリンクは貼らないでおきますが、見たら一発でパクリと分かります。それはもう驚きです。

一コマ一コマ、そっくりそのままパクっている動画があるのです。

あまりにも酷い。

怒りこそ全くありませんが、こんなことをいけしゃあしゃあとよく出来るなと驚きです。

マルチクリエイターと名乗っているのですが、パクっているだけで一体何をマルチにクリエイトしているのでしょうか?

謎です。

おそらく、当の本人はクリエイティブ関係に完全に素人で、クリエイティブ・コモンズについても全く知らないだろうし、昨今のカメラブームによって映像に興味を持ち、クリエイターになりたいがためにYouTubeを始めているのでしょうが、こちらとしてはいい迷惑。

ボクの動画にインスパイアされて、自分なりの表現で頑張っているのなら、ボクも気持ち悪いどころかめちゃくちゃうれしい限りなのですが(現にそういう人が数人かいますし、そういう声をかけてくれます)、なんのオリジナリティもなく、ボクへの敬意も感じず、ただネットに転がっていた「なんとなく雰囲気の良い映像クリエイターを発見したからパクってみるか」という、なんとも酷い始末。

どういうつもりなのか?こうした感覚をボクは全く理解ができませんが、こんな誰でもクリエイターになれる時代だからこそ、そうしたことにもっと慎重になり、敬意を払いましょうよ。

日本が誇る素晴らしいアーティスト、ドリカムの「Love Love Love」は、完全にビートルズの「All You Need Is Love」のパクりとも言われていたりします。

ですが、ボクは全くそうは思わなく、ビートルズへの愛と敬意を払って作った曲だと感じるし、それを正々堂々と公開した素晴らしい名曲だと感じています。

クリエティブとパクリの境界線はどこか?と議論になることも多い昨今ですが、それは作者に対する愛と敬意ではないでしょうか?

因みにボクは、パクるなら愛と敬意を持ちます。愛と敬意を持った時点でそれはパクリではなく、オマージュとリスペクトに変わるのです。

クリエイター側の都合の良い解釈かもしれませんが、歴史はそれを繰り返してきているのですから。