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漫画・アニメの名作『AKIRA』再熱!

映像クリエイター、DAISUKE KOBAYASHIです📕

今回は漫画、アニメともに名作の『AKIRA』について。

ボクが手塚治虫作品と同等…いやそれ以上に愛してやまない作品です。

手塚治虫の『火の鳥』『ブラックジャック』、永井豪の『デビルマン』、そして大友克洋の『AKIRA』。

これらを超える作品に出会ってみたいと思っている昨今ですが、ボクがAKIRA作品に最初に触れたのは確か『サムソン山本』という床屋。

小学低学年の時に親に連れて行ってもらい、髪の毛を切るのを待っている間にアニメ版のAKIRAの本を手に取り、読んだのが最初だったように思います。

同色系でグラデーション的に使ったカラフルな色使いと、ピンクの内臓などのグロテスクな表現が妙にそそられ、今でもその時の印象がそのままボクの頭の中にインストールされているような感覚があるのです。

▲瓦礫の王様となった鉄雄の片腕が「ドサッ!」とマント(ただの布)から落ちてくる覚醒中の機械混じりの腕。この表現が堪りません。

その時はもちろんAKIRAの本質に触れることは愚か、それを理解することは出来るはずがないのですが、時は経ち中学3年生ぐらいでしょうか。AKIRAの漫画を読むことになります。何故か最終巻の6巻だけを。

そして16歳の頃には、高校の同級生の濱田くんからAKIRAのアニメのビデオテープを借り、その時にはじめて動くAKIRAを観ることになります。

そこで観たアニメは子どもの時に観たアノ色使いとグロテスクな表現が散りばめられており、更にはバイクのテールランプが残す、光の残像の表現のカッコよさ、リアルな口の動き、そして何より『芸能山城組』による音楽が脳の中まで侵入してきて、瞬く間にAKIRAの虜になったのです。

▲ナンバーズが鉄雄に仕掛けるぬいぐる攻撃。割れ目からミルクが溢れてくる悪夢のような表現と、それにピッタリなBGMのシーンは必見です。

ブックオフで100円で漫画を買い揃え、アニメはDVD化されたら購入をし(制作の裏側と絵コンテ付き!)、フィギュアがあれば買い集め、漫画は今まで何十回と読み倒し、アニメも何十回と観倒してきた非常に影響を受けている作品のひとつです。

そんなボクにとって思い出深いAKIRAですが、少し前に日頃お世話になっている車屋さんから『芸能山城組』の『Symphonic Suite AKIRA』のCDをお借りしまして、そこからAKIRA熱が再発してしまっている昨今でして、こんな記事を書いていたりします。

更には最近カーオーディオを設置したことを良いことに、毎日爆音で聴きまくっていまして大変良い感じに覚醒が進んでいるようです!

で、AKIRA。

読んだことがない、観たことがないって人は一体何がそんなに良いのか不思議でならないと思いますし、下手したら読んでも全く意味がわからなかった…などと言われる始末でもあるほどです。

そう、響かない人には全く響きません!なぜなら読む人の背景をもろに映し出しますから!ボクのように社会に違和感を感じて生きてきた人間には、大変腑に落ちる作品なのです!

因みに、少し前にAKIRAがコロナ禍を予言していた!みたいな情報が出回りましたが、あんなゴミ情報はAKIRAの本質を全く理解していないようなことだし、AKIRAを語る上ではなんの意味も無いことを書いておきます。

アニメのAKIRAは観たけど、漫画は読んだことがないって人も実は結構居ると感じています。ナウシカを読んでいないと同等に。ちなみにボクは恥ずかしながらナウシカの漫画は読んでいません。

ボクはアニメも大好きですが、断然漫画派です。アニメの出来は大友先生が監督しているだけあり(当時連載を中断してアニメ制作をしていたのだとか…)、相当良いのですが、一度漫画のスケール感を理解してしまうとかなり端折っているのも否めません。

そんなこともあり、ボクはアニメだけに留まらず、漫画まで読むことを強くオススメしています。

で、何がそんなに良いのかって…語るには一晩では全く足りないほどなので(AKIRA好きの人と語りたい…)、何かの機会にじっくりと書きたいところですが、端的に書くなら…

第三次世界大戦後のネオ東京を舞台に、若者たちと軍隊が、日本軍の最高機密であるAKIRAを巡り、日本の未来をかけて戦っていく、近未来SF物語です。

これを壮大なスケールで描くため、読み終わった後はもう放心状態。漫画の最後のページで何度ボクは固まったことか…

若者の持っている力や可能性、そして希望。また大人の勝手な都合や傲慢さ、政治利権など、若者vs日本といった構図で世の中がカオス化していく近未来SFを舞台に描かれているため、いつの時代に読んでも非常に普遍的な作品に仕上がっているのです。

なぜ第三次世界大戦が勃発したのか?

ここにAKIRAの物語の本質のすべてが詰まっていると言っても過言ではありません。

ここまでのスケールで世の中を上手く描ききっている作品は『火の鳥』以外ボクは知りませんし、もしあるんだとしたら是非教えて頂きたい!もしかしたらナウシカがそうかな?なんて思っていますし、エヴァンゲリオンは読んだけどめちゃくちゃ苦手です!進撃の巨人も苦手です!

そして時は経ち2023年現在、AKIRAの時代背景を超えた今の日本とAKIRAの物語を照らし合わせてみると、日本のみならず世界は大量の情報と飽食といった、欲望と中毒の山の中に埋もれており、それによって息ができない人たち、考えることが出来ない人たちがたくさん増えているように感じます。

ボクは観ていませんが、中身のない…というか完全にお話として破綻している脚本と言われており、完全にVFX頼りの新作ゴジラの興行成績が良いのも非常に頷けるところです。すべてがエンターテイメントと化してしまっている、まるで今の日本を映し出しているかのようですね。そんな薄いモノを歴代のゴジラ作品として後世に残すのはいかがなものなのでしょうか?

どうやらボクたちは『3.11』『パンデミック』以上に、とても大きな『何か』、例えば国家財政破綻や戦争が起きない限りは、『ネオ』化することが出来ないのだな〜と感じています。

「ありったけの夢をかき集め」「海賊王に俺はなる」のも良いかもしれませんし、花道と流川のハイタッチにアドレナリンが全開になって痺れるのも良いかもしれませんが、「大きくなった油田の火事はニトロで派手に吹き消すそうじゃないか」。そんな時代の足音がボクにはどうしても聞こえてしまうのです。

…と、『芸能山城組』の『Symphonic Suite AKIRA』で覚醒されている昨今でした。ええ、めちゃくちゃ効きますよ。

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