ライフ, 映像

音のプロ志向入門者に『映像制作のための自宅で整音テクニック』

こんにちは。
映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。

ボクは写真撮影や文章などをデジタルコンテンツへと落とし込むお仕事をしていますが、映像制作もそのデジタルコンテンツの中の一つということが出来るでしょう。

で、映像制作と一言に言ってもやるべきコトは非常に多く、そしてそのひとつひとつに確かな技術が必要となってきます。

以前であればこうした映像制作は、会社を立ち上げるなりして、カメラマン、エディター、ディレクター、サウンドデザイナーなどの各技術や知識を持ったメンバーが集まり、クライアントから依頼のあった映像をチームになり制作を行っていましたが、カメラやコンピューター、アプリケーションなど、映像制作のためのあらゆるツールがテクノロジーの発達によって、誰でも簡単に制作出来るようになりました。

ボクもそのテクノロジーの恩恵を多大に受けた一人で、そうした時代性に乗っかり、映像クリエイター…もしくはビデオグラファーと言っても良いかもしれませんが、ビデオグラファーとしてそうした映像制作を始めるようになったのです。

たださっきも書きましたが、映像制作と一言に言っても覚えるべきこと、身につけるべきことは非常に多いのです。チーム化されていた時の方が実は覚えるべきことは少なかったかもしれません。

テクノロジーが進化したことにより、分かりやすく変わった点ではカメラの進化。4Kがデフォルトとなりつつある2020年現在、驚くほどコンパクトなカメラで驚くほどキレイな映像が撮れるようになりました。

▲参考までに最近撮った映像を。僅か1Kgのカメラ機材です。

ただ勘違いしがちになってしまうのは、綺麗な映像が撮れることは映像制作を全体から俯瞰して見てみるのであれば、重要な要素として考えた時の10分の1程度でしかありません(目的によって比率は可変しますが…)。

裏を返せば、綺麗に映像が撮れた所で映像制作のための10分の1程度のポジションしか確保出来ていないことになるため、他にも覚えるべきことはが山のようにあるのです。

 

映像制作時の音作り

では映像制作で1番覚えるべきことは何か?と聞かれたら、ボクはディレクションだと思っていますが、今回はディレクションの話ではなく『音』です。

映像というとついつい目に見える『画』にフォーカスしがちになってしまいますが、音の無い映像などは多分一切ありません(昔の映像を除いて)。そしてテクノロジーの進歩によって一人でも制作が可能になった映像クリエイターが蔑ろにしがちなものは『音』です。

なんとなくオシャレなBGMを選んでシーケンスに乗せて、各フッテージの音をミュートしてはい出来上がり!なんて映像も、この時代にはアリかもしれませんが、プロとしてもっと深みのある映像を制作してくのであれば…もしくはより高単価な映像を制作していきたいと考えているのであれば、音のクリエイトをガンガンしていくべきだと感じています。

ボク自身、そうしたコトを理解しているつもりでお仕事をしてきましたが、もっと映像制作における音作りを追求していくべきだと痛感させられる出来事がありましたし、音を触れば触るほどどこに基準をおいて良いのか分からなくなってしまうことが最近多々ありました。

これは自分が音への基本知識が完全にすっぽ抜けている証拠です。ですので音への理解や技術を磨くための第一歩としてこんな本を購入して読んでみました。

玄光社から出版されている『映像制作のための自宅で整音テクニック』。実は以前からMAに関しての本を一冊目を通してみたいと思っていた所でしたので、丁度良いタイミングで読むことが出来ました。

内容としては、基本的な音の種類の説明を前提に、映像制作者として持っておくべき機材やフォーマットやアプリケーションから実践編などと、MAとしての入り口となる参考書的なものでした。本書でも説明されていますが、こちらは指南書ではないため具体的な方法はほとんどなく、あくまでもMAという本来形のない音を、デジタル上で扱うための全体の流れを掴むためには最適な一冊となっていると感じましたね。

事実、ボクも今まで腑に落ちなかった所が落ち、音作りのための軸となる部分が構築出来たように感じました。

また、闇雲に新しい機材をやたらと紹介するカタログ的な本では一切なく、著者が長年使ってきた信頼できるツールなどを中心に展開されているため、読んでいて非常に安心が出来ました。機材系YouTuberといったジャンルがYouTubeでは確立されているほど、新しい機材が好きな人たちが多いのは間違いなく事実で、そうした人たちにとっては無縁の本なのかなとも感じましたね。要は確かな技術を磨きたいと考えているプロ志向の本です。

モノ思考ではなく、プロ志向の方にオススメです!

Kindle版もあるようです。Kindle歴8年のボクですがこの手の本は絶対に紙がオススメです。

 

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